子どもたちって、ある程度の年齢になってくると、 都合のよい時によその家と比べて自分の欲求を通そうとするテクニックを使ってきます。 ある意味、知恵を使っているのでそれはそれで面白いのですが・・・ 例えば、 『みんなスマホ持ってるよ』とか、『よその家ではそんなにお手伝いさせられていない』とか。 これは我が家で出てきた会話例なのですが、 そんな時は断固、「うちは、『トラの子育て』(獅子の子落とし)の方針ですから」と伝えています。 語源や言われを調べてみると、 自分の子に苦しい思いをさせて力量を試し這い上がってきた者だけ立派に育てるという意味で、 「可愛いわが子にあえて試練を試すということができるのは、深い知恵や道理を持つ人間なのである」とあります。 同じような、故事ことわざに、 《親の甘いは子に毒薬》《親の甘茶が毒になる》《可愛い子には薄着させよ》 《憎い子には砂糖やれ》《可愛い子には旅をさせよ》などがあります。 昔の人はよく言ったものだと感心してしまいます。 実際の動物の子育てで、参考になるなあ!と思ったいくつかをご紹介します。 キツネの場合。 子ギツネたちが哺乳に依存している時期は、親は出かけるときに子ギツネが後を追ってくるのを追い返します。 それが子ギツネたち自身でクワガタやカブトムシを追いまわして遊ぶようになるまでに発達した段階から、 子どもたちが巣を離れるのを促すようになります。 ゴリラの場合。 子どもが3歳になると、母親は子どもを捨てて群れの中から出て行ってしまいます。 あとは、父親が育てるのだそう。 厳しい環境で生きる動物が、いつまでも母親の愛情に甘えて生活していては生きていくことができない事を動物は本能的に知っているようです。 サルの場合。 ニホンザルのお母さんは赤ちゃんが1ヶ月までの新生児期は、肌身離さずしっかりと胸に子どもを抱きます。 これによって母と子の絆がしっかりと結ばれます。 1ヶ月を過ぎて1歳までの幼児期は、〈少し離して〉という教育をします。 子どもを床に置いて少し離れますが、淋しくて鳴くとすぐに抱き上げます。 その距離を段々と離していく間に子ども同士のふれあいを学びます。 そして、この子ども同士のふれあいがとっても大事なのだそう。 人間社会でいうと幼稚園か小学校の低学年にあたります。 そして一年を過ぎた少年期には〈ほっといて〉という教育をします。 全く無関心、というわけではなく見守るというスタンスです。 そして、周りには沢山の大人猿がいる中で育てる事。 自分の子どもがサル山の向こう側で何かあって助けを求めて鳴くとすぐに飛んで行って抱き上げますが、 普段はほとんど干渉をしません。 しっかり抱きしめ子どもを信じて見守る、実はとってもシンプルで動物に学ぶ事って沢山!! 実は、他の猿と接触のない状態で育てられた猿は、 仲間との距離感がとれずストレスを感じて生きていけなくなるケースもあるとか。 地域で育てる、仲間の中で育てる大切さも猿が教えてくれてます。 子育てに行き詰ったら、息抜きに、学びに、動物園のサル山観察に行ってみるのは、どうでしょう!? ふっと我に返らせてもらえるかな。